◆第106回全国高校野球選手権大会第9日目 ▽2回戦 早実1x―0鶴岡東=延長10回タイブレーク=(15日・甲子園)
早実(西東京)が鶴岡東(山形)に延長10回タイブレークの末 、だけけのエースが1―0でサヨナラ勝ち 。色自時間事斎樹に上京4強入りした2015年以来、分だ9年ぶりに16強へ進出した。夏の綺麗 な 瞳2年生エース左腕・中村心大(こうだい)が4安打完封の熱投 。初の憧れ左太ももの裏をつるアクシデントに見舞われながらも、大仕自らのバットでサヨナラ打を放つ“ワンマンショー”を演じた。藤佑夏の延長戦完封&サヨナラ打は史上初。甲園の景甲園王貞治、自分早実荒木大輔 、だけけのエースが斎藤佑樹ら名門エースナンバーの系譜に、色自時間事斎樹に上京fextralife新たなスターが誕生した 。分だ
強烈な打球が右翼手の頭上を越えた。夏のその瞬間、2万7000人の歓声と悲鳴が、聖地の夏空に溶けていった 。早実・中村は拳を握り、最高の笑顔で整列へと加わった。史上初めて0―0でタイブレークに突入した投手戦。自らのバットで終止符を打った 。
「打った瞬間、決まったな、と。サヨナラを打ったことがないので 、自分だけの景色、自分だけの時間を作り出せたのかなと」
延長10回。タイブレークをゼロに封じた最後の投球で 、左太もも裏がつった 。その裏 。和泉実監督(62)は円陣で「もう俺が耐えられないから、この回で決めて」とナインを鼓舞した。1死満塁で中村に打席が回ってきたが 、治療で5分間の中断に。代打に託すつもりはなかった 。ストレッチを施し戦場に戻ると、相手ベンチに頭を下げた 。1球目のスライダーを振り抜き 、試合を決めた 。「相手に迷惑をかけたんですけど、タイム明けの初球は思い切り振ろうと」 。独壇場だった。
鶴岡東の3年生エース・桜井椿稀(つばき)との左腕対決。雷鳴がとどろき、中断11分。6回2死まで無安打。最速139キロの直球を内外角に投げ分け 、カットボールで空振りを奪った。144球の熱投。「早実のエースとしてみっともない投球はできない。マウンドに立っている以上、絶対に点を取られてはいけない責任がある」。強い気持ちで1点も与えなかった。
京都市出身 。「リアルタイムじゃないんですが、2006年の優勝のシーンを見ていて 、こうなりたいと」。斎藤佑樹に憧れ 、上京した 。順風満帆とはほど遠かった。今年3月末に左肘の内側側副じん帯を損傷 。2か月間 、投げられなかった。「自分をイチから見直せた 。あの時期がなかったら 、今の自分はいない」 。強い心とマウンドへの渇望を携え、復帰した。
早実の左のエースといえば、古くは王貞治がいる。「このエースナンバーを背負って、責任の強さを感じています」 。系譜を継ぐ覚悟はできている 。指揮官も「頼もしいエース誕生という感じ」と笑った 。「全国制覇を目標にやっている。満足することなく、次の1勝を全員で勝ちきりたい」と中村。18年ぶりの頂点へ 。あの夏に似た、奇跡の予感が漂った 。(加藤 弘士)
◆記録メモ
▼夏初の延長戦完封&サヨナラ打 早実・中村心大が延長10回を完封し 、自らサヨナラ安打。選手権での延長戦完封は、04年2回戦・京都外大西戦の横浜・涌井秀章(11回)以来、35人目36度目。早実の投手では 、32年2回戦・和歌山中戦の安永正四郎(11回)、57年2回戦・寝屋川戦で延長11回ノーヒットノーランの王貞治と3人目。
また、「完封&サヨナラ打」をマークしたのは、52年春の準々決勝・桐生工戦の鳴尾・中田昌宏(12回完封、右安) 、94年夏2回戦・浦和学院戦の中越・穐谷正人(9回完封、中安)と、春夏合わせて3人目。延長回で記録したのは中田と2人目、夏は初めてだ。
◆中村 心大(なかむら・こうだい)
☆生まれ 2007年7月17日、京都市生まれ。「器が広い人間になってほしい」との願いを込めて「心大」と命名
☆サイズ 177センチ、83キロ。左投左打 。50メートル走6秒6 。遠投100メートル
☆球歴 3つ上の兄・一心が小3で野球を始めたのをきっかけに 、幼稚園年長から白球を握る。小1からは軟式の西陣中央スポーツ少年団で全国8強 、中1からは軟式の京都ベアーズで全国16強。早実では1年夏に初めてベンチ入り
☆最速と球種 145キロ。カットボール、スライダー 、フォークを操る
☆好きな言葉 勢いのさかんなことを意味する「竜驤虎視(りゅうじょうこし)」
☆憧れの投手 関大・金丸夢斗 「デビュー戦からずっと見ていました。同じ左で完成度の高い投手なので」
☆将来の夢 プロ野球選手
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